『ジャンプ流!』各号についてくる「モ写用紙」。
ここでは、「モ写用紙」を使って「モ写」をする際のポイントを紹介!
※本ページは、『ジャンプ流! vol.1 まるごと鳥山明』についてくる「ジャンプ流!秘伝ガイド」に掲載した内容となります。
『DRAGON BALL』の真骨頂といえる、スピード感と迫力に満ちたアクションが描かれたエピソード。数ページにわたって続いた、悟空の連続攻撃を締めくくる必殺の一撃をダイナミックに表現するため、絞り込まれた4コマに注目のテクニックが複数使われているぞ!
1コマ目は、武舞台の上空へと跳び上がった悟空の背後から、倒れたピッコロを見下ろす立体的でダイナミックな構図。右手前の悟空と左奥のピッコロの大きさの対比に加え、武舞台の枠を描くことでシーン全体のサイズや距離感が強調されている。
上のコマで豆粒のように描かれたピッコロの表情にクローズアップしたひとコマ。悟空の視点から、ピッコロの驚きと焦りの表情を集中線でズームアップしたように見せている。渾身の一撃のまえにタメを作ることで、最後の大ゴマに勢いをつける効果も!
ピッコロのアップとほぼ平行する形で、闘いを見守るキャラクターの様子を描写したひとコマ。頭を抱えて地面にダイブするクリリンをはじめ、激しい動きのあるキャラクターのリアクションが、緊迫した状況と放たれる「かめはめ波」の威力を予見させる!
ここまでの悟空の連続攻撃のフィニッシュとなる、ド迫力の大ゴマ演出! 悟空の気合を込めた表情と、スピード線で強調された躍動感あふれる動きに加えて、コマの半分を占めるフキダシもシーンの迫力を際立たせている。
ページのポイントをつかんだら「モ写」の開始! 今回の「モ写」では初心者にもオススメのセットとして、キャラクターにGペン、細かい部分に丸ペン、ワク線用にミリペンと、3種のペンを使用する。ペン以外はインクとワク線用の定規、ペンを洗う水、ティッシュ、試し描き用の紙を用意して準備完了。
なお、鳥山先生は、ワク線以外の部分のペン入れは、すべてGペンで行っていたそうだ。
最初に描くのは、コマのワク線とフキダシ。ミリペンと定規を使って、均一な太さの線を引くことを心掛けよう。
プロが描くマンガでは、コマやフキダシの配置や大きさにもきちんとした意図や意味がある。「モ写」するときもコマ割りやフキダシの大きさ、形などを意識して見ておくと、メリハリのあるコマの配置や、フキダシを使った演出などのノウハウを身に付けるのに役立つ。
キャラクターはGペン、背景や細い線は丸ペンを使おう。右利きならページの左から右に、左利きなら逆方向に描いていくとインクの乾きをあまり待たずに進められるぞ。原稿を汚さないよう、手の下にあて紙などを敷いておくのも忘れずに。また、インクのつけすぎによるボタ落ちなどを防ぐため、別の紙に試し描きをしてから原稿にペンを入れよう。
崩れた武舞台は直線で描かずに、丸ペンの細かな線で立体感を出す。
Gペンでは線の強弱を意識し、キャラクターの線にも表情をつける。